PHPとは

PHPは Hypertext Preprocessor の略で、主に動的なWebサイトを構築するために用いられるプログラミング言語です。オープンソースとして公開されているため、無料で利用できるのが特徴です。例えば、WordPress などのCMSもPHPを基盤として動作しており、世界中で広く利用されています。詳しくは WikipediaのPHPのページ も参照してください。

PHPの主な特徴

  • 動的なWebサイトを容易に構築
    静的なHTMLファイルだけでは実現しづらい処理を、PHPを使うことで柔軟に動的生成できます。詳細な情報や利用例については PHP公式マニュアル をご覧ください。
  • オープンソース
    ソースコードが公開されているため、誰でも無料で利用・修正・再配布が可能です。最新情報やアップデートに関しては PHP公式サイト で確認できます。
  • 豊富なフレームワークやCMS
    WordPressLaravel など、多数のフレームワークやCMSが存在し、生産性向上に貢献します。特に、Laravelの公式サイト では最新の導入事例や機能紹介が行われています。

PHPの動き

  1. ブラウザからサーバーへリクエストが送られる
  2. サーバーは指定された .php ファイルを読み込み、PHPエンジンがコードを実行
  3. 処理結果として生成されたHTMLやJSONなどをサーバーからブラウザへ送信
  4. ブラウザには最終的な出力結果のみが表示される

PHPは、Webサーバー上で動作するスクリプト言語です。ここでは、PHPがどのようにリクエストを受け取り、処理し、結果を返すかを段階的に説明します。

1. ブラウザからサーバーへリクエストが送られる

  • ユーザーの操作
    ユーザーがWebブラウザでURLを入力する、リンクをクリックする、またはフォームに入力して送信すると、リクエスト(要求)がサーバーに送信されます。
  • リクエストの内容
    このリクエストには、どのファイルを要求しているのか、どのようなデータを送っているのかなどが含まれています。

2. サーバーは指定された .php ファイルを読み込み、PHPエンジンがコードを実行

  • .php ファイルの役割
    サーバーはリクエストされたファイルがPHPファイル(拡張子が .php )であることを確認し、PHPエンジンに処理を委ねます。
  • PHPエンジン
    PHPエンジンは、ファイル内のコードを一行ずつ読み込み、記述された命令に従って処理を実行します。例えば、データベースから情報を取得したり、計算を行ったりする処理が含まれます。
  • コードの実行
    PHPコードは、<?php ... ?> タグ内に記述され、実行されるときには内部で動的にデータが生成されます。

3. 処理結果として生成されたHTMLやJSONなどをサーバーからブラウザへ送信

  • 出力の生成
    PHPエンジンは、コードを実行した結果としてHTML、JSON、XMLなどのデータを生成します。
    例:動的に生成されたWebページやAPIのレスポンス。
  • 送信プロセス
    この生成された出力は、サーバーからHTTPレスポンスとしてブラウザに送信されます。
    ブラウザは、このレスポンスを受け取り、内容を解釈して画面に表示します。

4. ブラウザには最終的な出力結果のみが表示される

  • ユーザーに見えるもの
    ブラウザでユーザーが実際に見るのは、PHPコードが実行された後に生成された最終的な出力結果だけです。
    たとえば、HTMLやスタイルが適用されたWebページ、もしくはAPIのレスポンスなどです。
  • ソースコードの非公開
    PHPはサーバーサイドで処理されるため、実際のPHPコード(プログラムのソースコード)はユーザーには送信されません。
    そのため、ユーザーはコードの中身を直接見ることがなく、セキュリティ上のメリットとなります。

セキュリティ上のメリット

  • コードの保護
    PHPのコードはサーバー上で実行され、ブラウザには最終的な出力結果だけが送信されます。
    これにより、機密情報やサーバーサイドのロジックが外部に漏れるリスクが低減されます。
  • リクエストごとの動的処理
    ユーザーからのリクエストごとに動的に処理が行われるため、ユーザーが直接PHPのソースコードにアクセスすることはありません。

PHPの書き方

PHPは、Webサーバー上で動作するプログラミング言語で、HTMLと組み合わせて使用することができます。以下では、PHPファイルの作成方法や基本的な書き方について詳しく解説します。

拡張子

PHPで作成するファイルは、必ず .php という拡張子を付けて保存します。
たとえば、

  • test.php
  • index.php

例: windowsのフォルダに保存

といった名前が一般的です。

なぜ拡張子が重要か?

  • サーバーの認識:Webサーバーはファイルの拡張子を見て、どのプログラミング言語で処理すべきか判断します。
  • セキュリティと動作の安定:正しい拡張子を使用することで、意図しないファイルの実行やエラーを防ぐことができます。

基本的な構文

PHPのコードを書く際は、必ず <?php?> タグで囲みます。
このタグの中にPHPの処理内容や命令を記述します。
PHPタグの外側はHTMLとして解釈されるため、HTMLと混在して記述することも可能です。

例:Hello, World! の出力

以下のコードは、PHPの基本的な構文を使い、ブラウザに Hello, World! と表示する例です。

<?php
  echo "Hello, World!";
?>
  • <?php
    PHPのコードの開始を示します。
  • echo
    文字列や変数の値を画面に出力する命令です。
  • "Hello, World!"
    出力する文字列です。
  • ?>
    PHPコードの終了を示します。

echoによる出力

echo はPHPで最も基本的な出力命令です。
プログラムの実行結果をブラウザに表示するためによく使われます。

echoの使い方の例

次のコードは、ブラウザに PHPを始めよう! と表示します。

<?php
  echo "PHPを始めよう!";
?>

ブラウザでの表示例

ポイント

  • 簡単に文字列を表示echo は1行で使えるため、初心者でも扱いやすいです。
  • 変数やHTMLも出力可能echo は文字列だけでなく、変数の内容やHTMLタグも出力することができます。

例:変数の値を出力する

<?php
  $greeting = "こんにちは、PHP!";
  echo $greeting;
?>

ブラウザでの表示例

この例では、変数 $greeting に代入した文字列「こんにちは、PHP!」が出力されます。
変数を使うことで、プログラム内での値の再利用や動的な出力が可能になります。

コメントの種類と使い方

PHPではコードの可読性を向上させたり、後から見返した際に理解しやすくするためにコメントを使用します。コメントはプログラムの動作に影響を与えず、開発者のメモや補足説明として役立ちます。

1.シングルラインコメント

シングルラインコメントは、一行のコメントを記述する際に使用します。以下の2つの方法があります。

// を使用する

C++スタイルのコメントで、行の先頭またはコードの横に書くことができます。

<?php
// これはシングルラインコメントです
echo "Hello, World!"; // ここもコメント
?>

# を使用する

シェルスクリプトやPerl風のスタイルですが、PHPでも使用可能です。

<?php
# これはシングルラインコメントです
echo "PHPは便利です"; # ここもコメント
?>

2. マルチラインコメント

マルチラインコメントは、複数行にわたるコメントを記述する際に使用します。

/* で開始し、*/ で終了します。

<?php
/*
このコードは、ユーザーの入力を受け取り、
データベースに保存するためのサンプルです。
*/
$user_name = "Taro";
echo "こんにちは、" . $user_name . "さん!";
?>

また、デバッグ時に一時的にコードを無効化する場合にも使えます。

<?php
/*
echo "このコードは実行されません";
echo "コメントアウトされているため無効";
*/
echo "有効なコード";
?>

3. ドキュメンテーションコメント(PHPDoc)

PHPでは、関数やクラスの説明を詳細に記述するためにPHPDoc形式のコメントを使用します。
これは、IDE(統合開発環境)やドキュメント生成ツールと組み合わせることで、コードの補完や説明を表示するのに役立ちます。

① 基本的なPHPDocコメント

<?php
/**
 * ユーザー名を取得する関数
 *
 * @param string $name ユーザーの名前
 * @return string 敬称付きの名前
 */
function getUserName($name) {
    return "Mr./Ms. " . $name;
}

?>

② クラスやプロパティの説明

<?php
/**
 * ユーザークラス
 */
class User {
    /**
     * ユーザーの名前
     * @var string
     */
    private $name;

    /**
     * コンストラクタ
     * @param string $name ユーザー名
     */
    public function __construct($name) {
        $this->name = $name;
    }

    /**
     * 名前を取得するメソッド
     * @return string ユーザー名
     */
    public function getName() {
        return $this->name;
    }
}
?>

4.コメントを活用する際のポイント

コードの意図を説明する
何をしているかより「なぜその処理が必要なのか」を書くと、より価値のあるコメントになります。

適切なコメント量を意識する
過剰なコメントはかえって可読性を下げることがあります。コードから意味が伝わる場合は、不要なコメントは避けましょう。

PHPDocを活用する
関数やクラスの説明を明確にすることで、メンテナンス性を向上させられます。

まとめ

これらの基本を押さえることで、PHPプログラミングの第一歩を踏み出すことができます。実際にコードを書いてみて、動作を確認しながら学習を進めてみましょう。

PHPは初心者にも学びやすい言語です。動的なWebサイトの構築において強力な機能を備えており、多くのフレームワークやCMSが存在するため、開発を効率化することができます。まずはファイルの作成方法や基本的な構文から学びつつ、手を動かして試してみると理解が深まるでしょう。