Noto Sans JPの特徴や使われる理由、導入方法や読み込み高速化のポイントまで詳しく解説します。Webサイトやアプリのデザインでよく見かける「Noto Sans JP」は、Googleが提供する高品質な日本語フォントのひとつです。これからフォント選びを検討されている方はぜひご覧ください。

Noto Sans JPとは?特徴と使われる理由

Noto Sans JPは、Googleが提供する日本語フォントのひとつで、「Noto」ファミリーのサンセリフ(ゴシック体)バージョンです。特徴としては、読みやすさとシンプルさを追求しているため、Webサイトやアプリなど幅広い場面で使われています。

使われる理由は主に3つあります。

  1. 多言語対応の高品質フォント
    Notoは世界中の多くの文字をカバーしており、日本語も含めて統一感あるデザインが特徴です。
  2. 無料かつGoogle Fontsで簡単に使える
    ライセンスフリーなので商用利用もOK。Google Fontsから直接読み込めるため導入が容易です。
  3. 可読性が高くモダンなデザイン
    特に画面上での見やすさが優れており、ユーザー体験を損なわないためWeb制作で重宝されます。

Google FontsからNoto Sans JPを読み込む基本コードの解説

Noto Sans JPを使うには、Google FontsのリンクタグをHTMLの<head>に追加します。基本的な読み込みコードは以下の通りです。

<link href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Noto+Sans+JP&display=swap" rel="stylesheet">
  • hrefのURLはGoogle Fontsで指定されたものを使います。
  • display=swapはフォントが読み込まれるまでシステムフォントを一時的に表示し、読み込み後に切り替える設定です。ユーザーに文字が見えない「FOIT(Flash of Invisible Text)」を防ぎます。

これでNoto Sans JPが利用可能になります。

Noto Sans JPを軽量化するためのフォントウェイトの絞り方(例:400,700のみ指定)

Noto Sans JPは複数のウェイト(太さ)を提供していますが、すべて読み込むとファイルサイズが大きくなり表示が遅くなります。
よく使われる標準的なウェイトは**400(通常)700(太字)**です。

Google Fontsで必要なウェイトだけを指定して読み込む方法の例:

<link href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Noto+Sans+JP:wght@400;700&display=swap" rel="stylesheet">
  • wght@400;700でウェイト400と700のみ読み込みます。
  • これにより読み込みサイズを大幅に削減でき、表示速度の向上に繋がります。

フォント読み込みの高速化に役立つpreloadとpreconnectの使い方

フォント読み込みはWeb表示速度に影響を与えやすいため、以下の方法で高速化を図ります。

1. preload

重要なフォントファイルを優先的に読み込むための指示です。

<link rel="preload" href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Noto+Sans+JP&display=swap" as="style" crossorigin="anonymous">

rel="preload"はブラウザに「このリソースはできるだけ早く読み込んでね」と伝えます。as="style"は読み込むリソースの種類を指定します。

2. preconnect

Google Fontsのサーバーとの接続を事前に確立しておくことで通信遅延を減らします。

<link rel="preconnect" href="https://fonts.googleapis.com" crossorigin>
<link rel="preconnect" href="https://fonts.gstatic.com" crossorigin>

crossorigin属性はCORS(クロスオリジンリソース共有)対応のために必要です。

具体的な実装例

フォントを高速に読み込むための具体的な実装例は以下のようになります。

<!-- 以下を<head>の中に入れる-->
<link rel="preload" href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Noto+Sans+JP:wght@400;700&display=swap" as="style">
<link rel="preconnect" href="https://fonts.googleapis.com">
<link rel="preconnect" href="https://fonts.gstatic.com" crossorigin="">
<link href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Noto+Sans+JP:wght@400;700&display=swap" rel="stylesheet">

ポイント解説

  • rel="preload"で400と700ウェイトだけのフォントファイルを優先的に読み込みます。
  • rel="preconnect"でGoogle Fontsのドメインに対して先に接続を確立し、通信の遅延を減らします。
  • crossorigin=""はセキュリティ上のCORS設定で必要です。
  • 最後にrel="stylesheet"でフォントCSSを読み込み、実際にフォントを適用できる状態にします。

実際に使うCSSのfont-family指定方法と注意点

読み込みが完了したフォントをCSSで指定します。基本は以下のように書きます。

body {
  font-family: 'Noto Sans JP', sans-serif;
}
  • 'Noto Sans JP'はGoogle Fontsから読み込んだフォント名です。
  • もしNoto Sans JPが読み込めなかった場合に備えて、一般的なサンセリフ体(ゴシック体)sans-serifを指定しておくのがベストプラクティスです。
  • フォント名は必ずシングルクォーテーションまたはダブルクォーテーションで囲むことを推奨します。